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Creator: 宮部ジュンイチ
Summary: あらすじ

物語の舞台はガラケー時代とスマホ時代の中間期。高校生の悟史は、家庭の事情で使い古された『カッコ悪い筐体』を買い与えられたことで、一部のクラスメイトからからかわれていた。友達ができないどころかクラスでも浮いた存在になっていた悟史は、どこにも向けようがない感情の矛先を、その原因である筐体に向ける。そんなある日の朝、ボロボロになった筐体を手にした悟史は意を決して、父親に『新しい携帯』のことを切り出すが、そこで父親とケンカして家を飛び出してしまう。

前作「ありがとう、私のチーちゃん」の続編でありながら、少し前の日常に焦点を当てた本作。

携帯の視点で描かれる家族の絆と、壊れていく自分を最後まで使って欲しいと願う筐体の運命は…。

主な登場人物

悟史(さとし)…本作の主人公。カッコ悪い筐体(ガラケー)からスマホに変えて、今の現状を打開したいと考えている。姉と同じ学校に通う男子高校生。視点である筐体の持ち主。

唯千子(いちこ)…主人公の姉。前作「ありがとう、私のチーちゃん」の主人公で、本作では弟・悟史より一学年上の高校三年生。父親とケンカしたまま家を飛び出した悟史を気にかける。

お父さん…悟史と唯千子の父親。四角い顔に白髪交じりの髪をしたメガネの男性。ケンカしたまま家を飛び出してしまった悟史に、悔やんでも悔やみきれない後悔の念を抱いている。

お母さん…現在何らかの病気で入院中で、仕事前に見舞いにやって来たお父さんと会話をする。

チーちゃん…みんなのアイドルでマスコット的存在。唯千子が小さい頃から飼っている。

筐体…自身のことを『旧式』と呼ぶ、二つ折りの携帯。自分を雑に扱う悟史に寄り添う。その外見は部品の劣化と摩耗が激しく、見てるだけでも痛々しい。やがて壊れて動かなくなる自分と相対的に、自分を手放して他の筐体に乗り換えようとする悟史に『最期の瞬間まで使ってほしい』と切に願う。

※筐体とは、コンピューター本体を構成する部品を収める箱型の容器のこと(諸説あり)。なお、作中では携帯端末の俗称として度々登場します。また、作中の視点は折り畳み式の携帯(ガラケー)でありながらメインディスプレイはタッチパネル式の中古品です。イメージとの食い違いを防ぐため、あえて記載させて頂きます。拙い文章ですが、読んで頂ければ幸いです。
Price: Free

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