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Creator: 川﨑 キヨ
Summary:  サトシは小学校6年生。テレビドラマや映画、CMで天才子役として活躍していた。
 サトシには役柄の性格や特徴をつかむと、一瞬でその子になりきれるという特殊な能力があった。
 それは笑顔や無邪気さやお涙だけの子役特有の演技ではなく、時には鬼気迫る演技で共演する大人の俳優や監督、現場スタッフらを震え上がらせた。
 特に実在した人物を演じる時は、その人そっくりの声になった。
 しかし、その類まれな才能とアクの強さから、時にはベテラン俳優の演技にも毒舌を吐いたりするので、あちこちの現場で「生意気だ」と評判が悪かった。
 サトシがこのようになったのは、家庭環境が影響している。
 父、母、弟のごく普通の4人家族だったが、サトシが売れ始めてからは家族の歯車が狂い始めた。
 大金を手にした父と母はすっかり人が変わり、次々と事業に乗り出しては失敗したり、金遣いが荒くなったりして借金を重ねた。
 そして2人とも自己破産の末、協議離婚。
 サトシと弟のユタカは幼いこともあって、母親と生活することになった。
 しかし、不幸はまだ続いた。
 ユタカが交通事故に遭い、脳に重い障害を受けて意識不明となった。
 医師からは回復の見込みがほとんどないと告げられた。
 すると母は、幼い子供を捨てて若い男と蒸発した。父はどこにいるのかわからない。
 以来、サトシは寝たきりの弟の面倒を看ている。
 そして、笑顔を忘れた少年となった。
 そんなサトシが突然マネージャーのシバハラとともに会社から解雇された。
 サトシがギャラをピンハネした社長の頭にヤケドを負わせたのが原因だった。
 そんなサトシにシバハラは新たな仕事を見つけてきた。
 そして、ファストフード店でノートパソコンを開き、ホームページを見せた。
 そこには、こう書かれていた。
 『ヴォイス~声の仕事、募集しています~』
 
Price: ¥350

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