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Author: 小林ウエコ
Summary: 【梗概(こうがい)】北町奉行所の定町(じょうまち)廻り同心池田重太郎は、若い娘に艶本を貸し与えているという触れ込みで、潜りの貸本屋を捕らえる。だが、実際に貸されていたのは『見聞男女録(けんもんをとめろく)』という公家物の御伽草子で、飛んだ早とちりだった……そんな折、同僚吉井の紹介で、お藤という信州出の娘を雇い入れるのだが、彼女は下女とは到底思えぬ程の美少女で、重太郎とお美代の夫婦は目を丸くする。一人息子がそろそろ嫁の貰い時だし、お藤自身も色恋沙汰に巻き込まれて、前の奉公先を辞めたという経緯があるし、気が気でないのだが……結局、こういう子を一度は傍に置いてみたいというお美代の希望で、そのまま家に置いておく事に……さて、重太郎はなしげなしに『見聞男女録』を夜通し読み耽るのだが、後にこの本が騒動の元になるとは露も知らず。
一晩経って翌朝。お美代が『見聞男女録』を読みたそうにしていたので、重太郎は、証拠の品だから一両日中に読めよ、内容が内容(貴人と里の娘の身分違いの恋愛話)だからお藤の目に触れさせるなと言い残す……さて、お藤の池田家での新しい生活が始まる。離れには先代が残した蔵書が数千冊有ったり……宿直帰りの深一郎とドキドキの初対面したり……その深一郎が明日から暫く本所方勤めになるだとか……出入りの口入屋が訪ねてきたり……その他色々細々とした事で一日が過ぎていく中……お美代は『見聞男女録』を読み終えるが、話は尻切れ蜻蛉(トンボ)で、二の巻に続くとあった。
さてさて、いよいよ第三章の始まり、始まり! 物語の鍵を握る『見聞男女録』の秘めた謎が徐々にその姿を現す……
【登場人物】
藤…………………池田家の下女。信濃國松代の山村の出。大きな目の器量持ち(美人)で、本が大好き。
池田重太郎………北町奉行所の定町廻り同心。亡き父は無類の本狂いで、その蔵書が今も離れに数千冊残されている。
美代………………重太郎の妻。
深一郎……………重太郎とお美代の子。北町奉行所の同心並。現在臨時として、本所方勤めに。
次郎(小者)、卯助(中間)、長助(小者)………重太郎の供回り。池田家に住み込みしている。
嶋田屋當右衛門………京橋の古本屋の隠居。重太郎の父と懇意にしていた。
吉井………………北町奉行所の定町廻り同心。重太郎の幼馴染で腐れ縁。
Price: Free

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