「逸務（いつむ）。オレさ……」
へっ？と思っている内に、雄陽は素早く俺の前まで歩み寄ってきた。
すると雄陽の顔が俺の顔に急接近してきて、
「～～っ！？」
俺は……俺はなんとキスされて～～……！？
もちろん唇同士ですよ……はい、紛れもなく。
ほんの一瞬だったけど、キスされましたよ……しかも男に！
嘘……だろ……。
俺は完全にフリーズ状態で……雄陽は攻め？
そして俺は受けでって……違～～う！！
「俺は、逸務、お前のことが好きなんだ」
俺が混乱しているところへこいつは、雄陽は、冷静に告ってきたけどさぁ……けどさ……。
「え……えぇと。俺も……友達として好きだけど……？」
「違う！　俺は一個人として三好逸務のことが好きなんだ」――
三好逸務は、平凡で普通の男子高校生、のはずだった。想いを寄せる大賀朱華に告白しようとしたその日、とある衝撃的な瞬間を目撃してしまった上、親友の円城雄陽に突然告白されてしまう。さらに、その現場を宮守瑞波に見られてしまい…！？四人の男女の不思議な交流を描いたドタバタラブコメディ。

同じ学校に通う幼馴染の優基と麻樹。お互いに惹かれあいながら、なかなか気持ちを伝えられない。しかしそんなふたりに悲劇が訪れる。麻樹がHIVウィルスに感染していたのだ…

中学から高校へ進学した優基と麻樹。麻樹は優基への愛を支えに病魔と闘い、優基は麻樹の幸せのために全てを捧げる。だが病魔は、確実に麻樹の身体を蝕んでいき…

空っぽの廊下、空っぽの教室。
放課後、学校を独り占めしたみたいで、この時間の空気は割と好きだ。
ぁ、教室開いてる……。
千夏は教室の前で足を止め、強い西日の差す教室の中に、人影を見た。
窓の外を見る人影は、背格好から教室に馴染まない20歳前後の男だった。
千夏は吸い込まれるように、しかし恐る恐る、足を進めた。
「……」
千夏が机につまずき、その物音で男は振り返った。
「ぁ……」
「あ～……！！！　ゃ、あの俺、怪しい者じゃないから」
「……」
「俺、ここの卒業生」
必死な訴えが逆に怪しい。
「……」
「本当だって」
「……何、してるんですか？」
男はよくぞ聞いてくれた、という顔をして、窓の外を指差す。
「探し物」
「……？ ……そうですか。鍵、閉めて職員室に返しておいて下さい」
千夏は自分の机の横に掛けてある弁当箱を持ち、背を向けて扉へ向かう。
「ちょ、それだけ？」
「はぁ……何か？」
「いゃ、じゃ…またね」
「また？　また来るんですか？」
「見つからなければ」
「そんなに大事な物なんですか？ なら何故今頃探すんですか？」
「聞いてくれる？」
「はぁ……簡潔にお願いします」――
ある日の放課後、女生徒と不審者は出会った。不審者の正体は卒業生。感情表現の乏しい千夏と、探し物をしに訪れた男、政臣。
政臣のある事情に、千夏はやむを得ず探す手伝いをすることとなる。２人の探索の日々の先には……？

ある森の中に、研究家の老人と、絵を描くのが大好きな少年が住んでいた。
雨を嫌った少年は、あるとき老人に雨が降らない装置を作ってもらったが、そのために色覚を失ってしまう。
絶望した少年は、今度は命を終わらせる時計を老人に作ってもらい、自らの命の終わりを6年後に設定する……。

突然、親の都合で離れ離れになった、幼なじみの大翔と楓。
お互い、小さな夢を抱きながらも……。
もう、2度と会うことはないと思っていた2人。
そんな想いが通じあったのか、高校で再会。
けれど、それは楓にとってあまりにも過酷出来事だった。
親友からの嫉妬・親同士の過去…。
大翔と再会してから、次々と楓の知らなかった謎や過去が、明らかになる。
ヒロトの夢、楓の夢。
2人が抱いていた夢とは何か？
その夢に辿り着く迄の道のりは、２人にとって果てしなく遠すぎて……。

『 好きな女……抱きたいと思って何が悪い…… 』大学生の厚樹はある日、親友・蓮と、高校生である麻奈と由佳をナンパする。麻奈とメアド交換したものの彼女の独特の雰囲気に付いていけず、二度と会うことは無いだろうと思っていたが──。愛する彼女の躰が欲しい…。でも、傷付けたくない、大切にしたい…。そんな気持ちの葛藤で、苦悩する青年の姿を描いたストーリー。