池の上のレストラン
4ヶ月前
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小学生低学年の頃。
住んでいた団地に大きなため池があった。
その池に半分せり出す形で建っていたレストランがあった。
レストランの客は、池の風景を眺めながら食事ができるといった趣向だったのだろう。
私は子供ながらに、オシャレだなと憧れていた。
我が家では一家で外食なんてことはまったくなかった。
時々、外からメニューの料金を見たりしたが、子供の小遣いで買える料理などなかった。
だがそこで目についた料理があった。
「ライス50円、みそ汁50円」
今と物価が違うので比較はできないが、当時の自分でも、ずいぶんと安く感じた。
ご飯とみそ汁なら食事になる。
100円なら持ってる。
いってみよう。
誰にでもある、怖いもの知らずな幸せな時期だ。
2人の友人を誘って私はそのレストランに入ってライスとみそ汁を注文した。
その時、ウエイトレスの女性はきっと困ったであろう。
子供の悪ふざけとして怒られても不思議はない。
やがて私たちのテーブルに「料理」が運ばれてきた。
みそ汁ではなく、3人分のミニラーメンとライスだった。
「サービスよ」
そういってくれたと思う。
ラーメンは実に美味しかった。
実はその店にラーメンのメニューはないのであった。
ウエイトレスさんの優しさに感動した。
その後、そのレストランに再び訪れることはなかったかもしれない。
さすがに恥ずかしかったのだろう。
今はその池も埋め立てられ、もちろんレストランもない。
あの時自分はちゃんとお礼がいえたろうか?
ああ、ウエイトレスのおねえさん、あの時は本当にありがとうございました。
この絵を描いてる時に思い出した昔話でした。