早朝組の2人 LEVEL 5
1 month ago
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「そうそう、私、あんたに伝えないかんことあったわ」
「何よ」
「めちゃめちゃ大事なことやねん」
「ほなら、はよ言って」
「えーっと、なんだっけ」
「まったく、あんたは忘れっぽいなぁ。昨日もカバン全部忘れて帰ったでしょう」
「そうそう、家に帰ってお母ちゃんに言われるまで忘れてたわ。えらい荷物軽いな〜って思ってた」
「どないやねん。それならいい方法あるで。忘れ物防止策。メモ取ったらええねん」
「あ、それな!私もお使い行く時はメモ書くようにしてる」
「ほうほう、それで」
「バッチリ書いて、そのメモを家に忘れる」
「あかんがな」
2人の生徒が早朝から、校舎裏で漫才のネタ合わせをするようになったのはいつ頃かはわからない。本人たちは別に漫才のつもりでもないらしい。ただのおしゃべりだと思ってる。ただその軽妙さから、密かに楽しみにしている「ファン」もいるらしい。いったい誰が?
「それでや、今日こそは絶対忘れないように、しっかりメモして、それ持って買い物にいったんや」
「うんうん、それで?」
「ああ、買い物中に、メモ見るの忘れてもうた」
「逆に、すごいな。で私に大事な話ってなんやの。思い出したか」
「えっと、なんの話?」
「あんたが私を学校に呼んだんやろ。朝のはように」
「あ、思い出した!大事なことやで」
「うん、なんや」
「今日、学校休みや」