ダミーテキスト LEVEL 3
2 weeks ago
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「ドクター、どうなんです?」
「なに、アイナはかすり傷じゃ。精神的ショックで眠ってるだけじゃ」
「今度のことは私に責任がある。あの若者をアイナに紹介したのは私だ」
「うむ、まさかその若者が妖魔だったとは。信じられんな」
「私も会ったことがあったが、実直な好青年としか思えなかった」
「で、その妖魔は?」
「逃げられた。騎士団も大勢いたのに」
「なるほど。でもわしはちょっとひっかかるんじゃよ」
「なにがです」
「その若者は、何年も北区の労働者として人間たちと暮らしとったんじゃろ?」
「そうきいてる」
「なら、なんでその間に人間を襲わなかったんだ?その妖魔は?」
「それは我々を油断させるためでしょう」
「妖魔には、そこまでの知恵や忍耐はない、ただ直線的にヒトを襲うのみじゃ」
「ドクターは、なにがいいたいんです」
「つまりその若者は、この事件前までは普通の人間だったのではないか?」
「では、あの若者は妖魔に憑依された…と?」
「ただの仮説じゃが」
「確かに、そんな話、聞いたことがあります。でもいったいなぜアイナを」
「さしずめアイナがクレイモア騎士団で妖魔からみれば敵だから」
「その言い方だと、ドクターには別の考えがある?」
「さすがは修道士長さんだ」
「ではあなたの説をうかがいましょう」
「ゴホン、怒らんでくれよ」
「もちろん」
「わしもあんたもアイナのことは子供の頃から知っとる」
「そうだが」
「おてんばで負けず嫌いだが、よく泣く、心の優しい子じゃよな」
「騎士団に入ると聞いた時は驚いたし反対だった。まだ幼い子供だし」
「わしもあの子は、まだまだ小さい子だと思っておった」
「え?」
「さっき診察して驚いたが、あの子もすっかり大人の女性になりつつあると思った。ふふふ」
「え?」
「その若者は、アイナと親しくなってある特殊な感情が芽生えたんじゃなかろうか。あんたの前ではいいにくいが、まあ、いわゆる性の衝動が」
「そしてアイナを襲ったと」
「若い男なら、誰にでもそうした衝動があるものじゃろう。なんの不思議もない。
そのくらいの魅力が今のアイナにはあるってことじゃ」
「じゃあ、単にムラムラして襲ったとか?」
「わかりやすくいえば」
「いわゆる『魔が差した』というやつか」
「その『魔』こそが我らの知る妖魔の正体かもしれんな」
しかし、真実は2人の想像を超えたものであった。