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アクリルケージ

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2 months ago

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漫画家のつげ義春がこの3月に亡くなったそうです。享年88歳。
とはいっても今の方はご存知ないでしょうね。
なにしろ最後に作品を発表したのが1987年のことです。
それ以降「沈黙」を続けた、いわば伝説の漫画家でした。

初めて彼の代表作「ねじ式」を読んだ時の衝撃は今でも忘れません。
なにしろ意味が全然わからない!
なのになんだこのインパクトは!
こんな漫画が可能なのか!

その後、つげ義春の作品を追いかけて、ますます深みにハマりました。
ひなびた田舎の温泉宿を旅する作品。
波乱の人生を描いた自伝的作品。
売れない漫画家一家の日常生活。
夢をテーマにした作品。

どれも単なる娯楽作品ではない「文学性」や「芸術」を感じたのです。
漫画家をめざしていた若い頃の自分にとっては夢であり目標でした。

自己表現をするってのは、多かれ少なかれ「自己承認欲求」が原動力になってますよね?
多くの人に見られたい。ほめられたい。有名になりたい。お金も欲しい。
別に恥ずかしいことじゃない。
私もそうです。

ところがつげ義春には、まるでそんなことがないように感じました。
むしろ、世の中から消えたい、忘れられたいというインタビューも読みました。

世の中の99.9パーセントの創作物は特になんの努力もなしに忘却され、消えてしまうでしょう。それが自然です。
時間という評論家はなかなかに残酷で、かなり正確です。
つげ義春の作品がこのさき、歴史に残るのかどうかはわかりません。
私は日本の文化史に残るものだと信じています。

つげ義春さん、ありがとう。
あなたは私の憧れでした。
どうかやすらかに。

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