表紙『転生したら召喚獣になったらしい』
3 years ago
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小説『転生したら召喚獣になったらしい』
著・獅月クロさん
https://estar.jp/novels/25699774
表紙絵描かせて頂きました。
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目の前で召喚された瞬間に
手を伸ばし、止めようとした自身が居たことに
彼奴が立ち去ってから気付いた
軽く笑って見送ったはずなのに胸に感じる、
離れたと言う意味を理解した瞬間の寂しさは
味わったことが無いほどに突き刺さる
「 ふっ、此処にいりゃ気にならねぇうちに戻ってくるからな…… 」
時の流れがない此処、神の庭
気にはならねぇと、自己暗示をかけるように言葉を発しては月明かりに背を向け、寝床へと戻った
*
「( コウガの泣き声? )」
俺がうろうろしてる間に帰ってきたのか?
そう思い、自然と脚は声のする方へと走っていた
他の聖獣へと気にすること無く、声のする方へと走れば草花が多い丘の上に一頭の黒い毛並みをした今の俺とたいして変わることのない
狼が空へと向かって泣いていた
『 ウォォォォオン!!!!( うぁぁっ、あぁっ! )』
その声は、大切にした人間の死と別れてきたのだと知った
初めて召喚された時とは違い、もっと親しくなったのだろ
御前は此れから何度もそれを経験する
その度に泣いてしまうだろ御前を……
俺は癒すことが出来るだろうか
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(小説お借りしています。