その坂を登れ LEVEL 2
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1週前
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※無法編輯本作品標籤。
学校から自宅のあるアパートまで、長い坂道がある。
あんまり坂がきついので、彼女はいつも途中から自転車から降りて歩いていた。
今日、学校で教育相談というのがあった。担任に志望校を告げると
「まあ、雲の上ってほど無理じゃないな」と言われた。
何だそれは。それが受験生へのアドバイスなのか。彼女は少し腹が立った。でも、絶対に合格出来るという程の自信もない。勉強はしているが、やればやるほど、何もかもが足りない気がした。
「もー!みんなアホ〜!」と思わず叫んだ。
それにしても、この坂は長い。どこまで続くんだ。そりゃ頂上までに決まってる。よーし。彼女は決心した。
今日こそは、この坂を最後まで登り切ってやる。それがあたかも困難に打ち勝つ条件みたいに思えた。さあ、頑張れ私、と自分に言い聞かせてペダルをこいだ。後悔だけはしたくない。全力を尽くすんだ。