タイムケンネル第18回。
3 years ago
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ショムロン開発部長(准将)「今回は330年前の北京に行ってもらう。当時の皇帝の真意を知る必要があるのだ。」
トニー「了解です。」
(ブーーーン、タイムワープ!)
取次官「皇帝陛下、天主教の宣教師の托尼(トニー)をお連れしました。」
康熙帝「トニーとやら、何でも聞くが良かろう。」
トニー「あなたは昨年ロシアのピョートル1世と、満州国境に係るネルチンスク条約を結びました。」
康熙帝「いかにも。国境の画定は国の安泰に重要だ。」
トニー「ですがあの線引き、明らかにロシアが得をしています。聡明で知られて世界最大の百科事典の「康熙辞典」を編纂し、清帝国の絶頂期を作った陛下とは思えません。」
康熙帝「ロシアは朝貢国である。化外の民を押さえたつもりだが。」
トニー「たしかにかつての蛮族の地に今はロシアの特に毛皮商人が進出して、あたかも東シベリアはなし崩しに、ロシアの領土のごとくになっています。でも軍隊ではない、たかが商人でしょう。蛮族が弱体化したなら、清こそがかの北の地を攻め取るべきです。」
康熙帝「たしかに商人など敵ではない。つまり攻め込んでこないと言うことだ。」
トニー「かの地では後に石油や金が出て、実は宝の宝庫です。」
康熙帝「我が国は世界の真ん中にあって栄えている。わざわざ毛皮など取りに行かなくても、絹織物の生産では世界一だ。」
トニー「清国はそもそも女真族で、その故地は満州。それを一部とはいえ譲って、先祖に申し訳が立つのですか。」
康熙帝「漢族でない者が漢族の上に立つ、この面倒さはお前にはわかるまい。「中国本土最優先」の姿勢は、人民の統治に重要だ。ロシアも恩を感じて、これからも朝貢に励むことだろう。」
トニー「予言しますが、150年後には沿海州まで取られ、満州の地も踏み荒らされます。」
康熙帝「もう良い、下がれ。天主教の話など聞きたくないわ。我が国はチベット仏教を保護している。」
(ブーーーーン、帰還)