小説表紙『碧に溶かして』
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2年前
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小説『碧に溶かして』著・4゜さん
https://estar.jp/novels/25885303
小説表紙描かせて頂きました。
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震える声で後退る自分に迫り来る大きな影。恐怖を感じた自分はそのまま勢いよく部屋のクローゼットに隠れた。獣の様に荒い呼吸音がここ迄響いてくる。
「……っ」
息を潜め、口を押さえたままジッとする。暫く経つと何の音もしなくなったので安堵してクローゼットの扉を僅かに開けた…のが間違いだった。開いた直後、ガシッと扉を掴んできた影の主。居ると思わず「ひっ」と声を上げ、再び閉めようとするとバンッと無理矢理向こう側に開かれた。明るくなった視界の中で、視線の先の男は俺を見下ろし、静かに見据えてくる。
「夕」
やめろ。
一体誰なんだ。
俺はこんなデカい奴なんて家に招いた記憶は無い。
伸ばしてくる手から逃れる様にかぶりを振る。
動きを止めた男は悲しそうに目を細めると「ごめん、怖がらせたよね」と小さく呟いた。同情する気は無いが、仔犬の時と同じ目をされると、どうにも強く怒れなかった。うっ…と詰まった表情を浮かべながら恐る恐る顔を上げる。
「お前……獣人なのか？」
聞かずにはいられなかった。視線の先の男は暫くの間の後、ニコッと笑いながら「うん」と頷いた。その瞬間全身から力が抜けていくのを感じた。もしかすると、俺はとんでもない拾い物をしてしまったのかもしれない。
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小説お借りしています。
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