小説挿絵『桃紅柳緑──アイツが俺を嫌いな理由と、俺がアイツのことが気になる理由──
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5 years ago
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小説『桃紅柳緑──アイツが俺を嫌いな理由と、俺がアイツのことが気になる理由──』
著・当麻咲来さん
◆エブリスタ
P130~ 第八章(P3~)
挿絵描かせて頂きましたw
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舞台が暗転して、幕が引かれる。
どよめきと拍手の中、幕が下がると、アキがひょいっと体をどけた。
次の瞬間にあっさりと止めていた金具を外して、帽子とウィッグを外した。
「………おつかれ」
そう言って小さく笑うアキは、普段どおりで、涼しい顔をして、ふわりと髪をかきあげて、
「この衣装、ホンマうっとうしいわ」
そう言って、すたすたと歩いて、あっさりとその場を離れた。
俺は一人で、先ほどのことが理解できなくて、ずっと固まったままで。
俺、キス、された?
……された、よな?
(*小説お借りしています。