代理学園第三話 LEVEL 3
1 year ago
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代理学園第三話
私の寮は、10ーC。パンタソス、っていうらしい。
くじら先輩、まくちゃん、むぅにゃちゃん、私の4人。
「えっと、わたし2年生だし、自己紹介しますね」
「名前はくじら、2年10組、歌うことが好きです」
「くー先輩って呼ばせてもらいます!」と、まくちゃん。
くじら先輩は、何となく、不思議な感じがする。
むぅにゃちゃんが言った。
「くじら先輩、私、曲作るので、歌ってください!」
くじら先輩が、目をぱちくり。
「え、いいんですか?嬉しいです!」
「うん、時間かかるかもだけど...」
「あー!わたしたちを置き去りにしないでぇ!」
「えへへ、お風呂の時間まで4人で話しましょ」
夕方。大浴場。
1年10組の寮生が、揃って風呂に来ていた。
中には、少し2年10組の先輩も混じっている。
「ひろおお!これで10組専用?!」
「ちょ、まくうるさ、ってひんろおお」
「いや透海もうるさいって、ひろいねぇ?!」
まく、透海、玲。3人が揃って目を輝かせている。
無理もない。なんにせよ、広い。
「はいっちゃえー!」「えーい!」
つきみと、渫奈が一斉にどぼん。
(せつなちゃんって心開くとあんな感じなんだ…)
感心しつつ、自分も瑠花ちゃんとどぼん。
「うーん。最高に眠れs...」
「ああ瑠花ちゃんのぼせちゃうう」
むぅにゃちゃんは、とあたりを見回すと...
(くじら先輩尾行しとる?!)
「しー。これもくじらちゃんの曲のためよ」
指を立ててどや顔。何もこんなとこでしなくても…
「ええええ!ほんとに?!」
一人の叫び声。声の主は...ヒカリちゃん?
「くじら先輩、そんな気がすると思ったら...
やっぱり人魚だったんですね!」
「あ…うん、一応、そうですけど…」
(えええ?!あ、皆驚いてないのね)
自分でも不思議に思うくらい、腑に落ちた。
「あー、ばらしちゃってよかったの?」と優香里。
「大丈夫ですよー」とくじら。
「ま、まあいつかばれるとは思ってたけど、
まさか初日とは...」と柊雨。
「えへへ、これでも科学者を目指してるんです」
「ということで、あとでくじら先輩、
実験に付き合ってくださいね」
その少女は、満面の笑みを浮かべていた。
その日は、そうして幕を下ろした。
もう、楽しすぎたので記憶が曖昧だ。
ただ、くじら先輩が実験から帰ってきて
げっそりしていたのは、覚えている。