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「家族障害」#1・前編

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6 months ago

  • 小説

  • original

  • 家族障害

家族障害ーこの言葉を聞いてピンと来る人はいないだろう。いたら驚く。なぜならこの言葉はこの物語のためだけに私が作ったものだからだ。そしてこの言葉をつけるのにふさわしい人物がこの障害を起こしたのは丁度いい気温の春だった。
 2年前5月
「はるーそろそろ家帰らないとお姉ちゃん先に帰っちゃうよー?」
ことかは知らなかった。自分のこの発言によりこの後「はる」と呼ばれていた陽斗が事故で亡くなるとは。
「お姉ちゃん!もう帰るからもうちょっと待ってよ」
「仕方ないなぁー。10秒だけね?」
「はーい」
「10、9、8、7、6、」
「お姉ちゃん!今行く!」
「はる!今はダメ!車来てる!」
「何て言ってるの?今行くから待っててよー!」
陽斗は信号が青になったからと思い右、左と見ずに走り出そうとしていた。しかも、大好きなお姉ちゃんと帰りたいという気持ちが強すぎて、琴苺と信号以外は何も見えていなかった。横から猛スピードで車が走ってきているという事も。
「はる!」
ドシャ。
「はる!はる!」
琴苺は何があったのか分からずとっさに駆け寄った。
「大丈夫!?今救急車呼ぶから!!」
琴苺は携帯を取り出そうとするも、緊張でなかなか取れず。
そんな時、
「お、ねえ、ちゃん、、」
「はる!?何!?」
「だい、すきだよ、、」
パタン。
陽斗が息を引き取った。
陽斗のことをひいた人が代わりに救急車を呼んでくれていたのですぐに運べた、が、琴苺はその場所を動けずにいた、。
「お姉さん、弟さんが亡くなったのはお辛いかと思いますが、ここは横断歩道ですよ、人の邪魔になります、早く退いた方が身のためです、犯人も捕まったことですし、」
この謎の男の正体はわからなかったが、なぜか悪人とは思えず、その場を離れ、家に帰った。
その後の葬式にも琴苺一人だけがまだパニック状態であった。

#1・後編に続く,

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