【お題】和風エロで10題 07.紡がれる願い (SS付)
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9年前
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--ee18様よりお借りしました(※現在閉鎖されているようです)
お題:『紡がれる願い』
主人公はアルビノという設定です。
2006.10.21-10.27
「ユキ、体の調子はどうだ?変わりないか?」
「大丈夫…それより今日は大丈夫だった?…捕まらなかった?」
「大丈夫だって、俺がそんなヘマするように思うか?」
指先で探るように体を触る。
どこにもケガはないようだった。
「…思わない」
「おいおい、信用されてないな」
鬼丸は盗賊の頭領をしている。
出逢いは鬼丸の一団が屋敷に強盗に押し込んできた時だった。
『何だ、こんな物置にすげぇ綺麗な奴がいる』
『お頭、確かこの屋敷の長子は白子だって噂です』
『…綺麗?…誰?』
指先を声のするほうにかざす。
そこは光が溢れていた。
『目が見えねえのか?』
屋敷では、四角く暗い部屋と、運ばれてくる食事が世界の全てだった。
連れ出してくれたのは、鬼丸。
鬼丸の隠れ処では、いつも光が射し込んでくる。
暖かな光。
そして、鬼丸。
「なぜ“ユキ”と呼ぶんだ」
「お前の髪の毛やら肌が雪みたいに真っ白で綺麗だからだ」
「雪…?」
「そうか…もう少し寒くなったらまた教えてやるよ」
微笑を湛えたような声色だった。
「…楽しみにしてる」
どうか、その時まで共に傍に居させて下さい。
ささやかに、ささやかに。