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熱帯

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2年前

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謎のウイルスでゾンビだらけになった世界。亜熱帯化した日本で、安全な地を求めて命からがら逃げ回る。旅路での新たな仲間、人間同士の対立、ゾンビの頭蓋骨がもの凄いやわい、突然の人気キャラの死…。濃く短い人生の中を、おじさんからの電話を信じて歩いた。

今から2ヶ月前、地球温暖化によって南極の氷が溶け出し、未知のウイルスが海に流れ出た。日本政府がウイルス感染対策本部を設置し、海や小中学校の閉鎖、それからちらほらと感染者が現れ始め、緊急事態宣言を発令。それでも感染者はあっという間に増え、ニュースの生中継で官房長官とかなんとか、多分偉い人がゾンビに噛まれているのを見た。まるで映画のようなことが現実で起こり、ウイルスの脅威を目の当たりにした僕ら一般市民は一気にパニックに陥った。そうして、近くのスーパーや薬局、ホームセンターからも物が消え、そこに買い物に行った僕の父は他の買い物客に売り物の包丁で刺されて死んだ。買い物から生還してきた近所のおばさんがそう教えてくれた。「助けてあげられなくてごめんね」と言い泣きながら数少ない戦利品の中から半分も食料を分けてくれた。

残された僕と母は、家族を失った悲しみと、壊れた生活、人生への絶望で枯れるまで泣き、涙が出なくなるとおばさんがくれた缶詰を食べた。3日も立つと食べ物も少なくなり、疲れて夢でも見ているような気分になった。急に母がパッと立ち上がり、「食料を探してくる」と言い走ってドアから出て行った。僕はもしかして母はあまりの悲しさに頭がおかしくなってしまったのではないかと思って、悲しくなった。しばらくして、床に手紙が落ちている事に気づいた。「残った食料を持っておじさんのところに行って。きっと彼処は安全だから。私はパパのところに行ってくるから、気にしないで。」と書いてあった。半分まともで半分おかしくなっていた。僕は最後の涙をひとつ落として、電話をかけた。俺の住んでる島にはまだゾンビはいない。本土からはそれほど離れていないから、気合いで泳ぐか、ボートかなんか探して渡ってこい。その間俺は流れ着いてくるゾンビがいないか見張ってブチ殺しておくから。と、それが最後にしたおじさんとの会話だった。家を出ると隣のおばさんが裸で死んでいた。

そうして生き残った仲間と島に着くと、久しぶりに会ったおじさんはいつものように「アイス食うか?」と言って笑い、僕の首を文字数

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