おろち
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2年前
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楳図かずお作「おろち」から、おろち。
人の人生を見守る謎の美少女おろち。様々な不思議な能力を使う。彼女が何者なのかは作中ではほとんど触れられない。彼女は狂言回し。謎は謎のまま最終回になる。これは作者の楳図かずお先生が、読者におろちというキャラクターについて、自由に想像して欲しいと考えてあえて、語らないのだ。先生が作中でこの子はこうだ。と描いてしまえば、作品の神の言葉なのでそれが唯一無二の答えになってしまう。これはとてもつまらないことだ。と、先生は言っている。
昨今の、なんでもかんでも作者が答えを書いてしまう。また、答えを求める読者。散りばめられた伏線を回収する作品ばかりがもてはやされて、読者のイマジネーションの余地がない昨今のマンガ業界に苦言を呈す先生の考えと作風は尊い。