小説挿絵
5 years ago
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小説『桃紅柳緑──アイツが俺を嫌いな理由と、俺がアイツのことが気になる理由──』著・当麻咲来さん
https://estar.jp/novels/24931169
第九章P151~(P5) 挿絵描かせて頂きました。
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……俺、なんだかまずい状況じゃない? 冷たい目で俺を見るアキを見ながら、 思わず背筋を冷たい汗が流れた……………。
「………………………」
「……………………………」
思わず駆け出して行った原さんを見送った視線がそのまま、アキのところで止まる。視線が合うとアキがこちらを冷たい目で見つめる。
「……ええ湯やったわ」
次の瞬間、アキがにっこりと笑って、普通にそう言う。
「そ、そ、それはよかった……………ね」
思わず俺はベッドに寝転がったままそう答えていた。ってそう答えるしかないだろう?
そのまま彼は髪をタオルで拭いながら、自分のカバンを開ける。中から一冊本を取り出して、読み始めた。すご~く冷静な様子が………かえって怖い。なんか、せめて突っ込んでほしい。
『あの子、どうしたの?』とか、『いったい人の部屋で何やってんだよ』とか……。お、お願いだから聞いてくれ。聞いてくれないと状況説明すら出来ない。
(小説お借りしています)