パチュリー
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5 years ago
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夜も更けたとある図書館の一角、本に囲まれた机上をオレンジ色の明かりが照らす。その光の元には、紫色の髪の少女が本を広げて座っていた。
彼女の読んでいる分厚い本は極めて難解な言葉が羅列され、意味は理解できないが、彼女にとっては没頭し続けられるほど価値のあるものなのだろう。
「――あら、声を掛けてくれればよかったのに」
ふいに、彼女は本の頁から目をそらさず、口だけで無愛想に呟いてみせた。