タイムケンネル第14回。
3年前
*/10
ショムロン開発部長(准将)「今日も新たな実験を行う。まず850年前のモンゴルに行って、そのあと40年後に同一人物に会うのだ。」
トニー「ラジャー。」
(ブーーーン、タイムワープ!)
トニー「のちにチンギスハンと呼ばれる、テムジンさんですか?」
チンギス「いかにもテムジンだ。君はどこの部族の者だ、見ない顔だが。」
トニー「西方のイザナエル部の者で、トニーと言います。」
チンギス「聞いたことのない部族だ。と言うことはそうそう危害を加えないと見た。」
トニー「危害どころか、テムジン様はこれから、世界最大の大帝国を建築されます。」
チンギス「何をバカなことを。私の知る限りの祖先からずっと、このように部族単位で遊牧生活を送ってきたのだ。もっとも最近私はそれにすら疲れて、出家してチベット僧にでもなろうと考えているがな。」
トニー「いや、テムジンさんに出家されてしまうと、世界の歴史が変わってしまいます。(ここは何とか思いとどまらせないと。そうだ、もうすぐ嫁さんのボルテが誘拐されるのだが、ここは黙っておこう。)」
しばらくしてチンギスの部族の者「テムジン様、一大事です!ボルテ奥様がメルキト族の奴らに誘拐されました!」
チンギス「あの野蛮な奴らが、先日の恩義も忘れて裏切ったか!急いで取り返さないとボルテの純潔が危ない。」
(何日かして)
チンギス「ボルテは取り返したが、辱めを受けた!」
トニー「これで分かったでしょう。専守防衛どころか先手必勝。弱気でいては自分の身内さえ守れません。」
チンギス「身にしみてわかったぞ。今から大征服に立ち上がる!」
(ブーーーン、40年後)
トニー「チンギス様、あれから40年であなたは世界最大の帝国を作り上げました。振り返って勝因は何だったのですか?」
チンギス「そうだな、狩猟を応用した現実戦法、人種や宗教を問わない人材登用、新技術の積極的採用、のろしや吠え声による情報伝達技術等いろいろあるが、最大の要因は何と言っても、敵の城は壊せば、それ以上の未練はないことだよ。分捕った都市を活用する気など全くなくて、牧草地にでもなっていれば良い。そうすることで戦いに全人材を投入できたのだ。」
(ブーーーーン、帰還)
トニー「オレは裏から歴史を変えたのだ!」