「家族障害」#1・後編
6個月前
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2年後
「じゃあはるお姉ちゃん学校行ってくるからね」
「琴苺ー早くー遅刻するよー」
「こっちゃん,行ってらっしゃい」
「行ってくるね,苺菜」
「ねえね,?」
「舞苺もバイバイね」
2年前までは1歳の舞苺,3歳の苺菜,5歳の琴苺,8歳の桃苺が大きくなっているのだ。毎日こんな朝を迎えて家を出る。
「はるも6歳のはずだったのに,」
「琴苺?もう2年前だよ?」
いつもこの会話から始める。
「あ!桃ちゃーん!一緒に行こー!」
「今日から妹と行くんだ!ごめんね!」
「私も一緒に行く!」
「琴苺いい?」
「いいよ」
琴苺は陽斗が亡くなったあの事故から親や姉妹に本音を話した事がない。唯一知っているのは陽斗だけ。(正確に言えば仏壇にいる陽斗)だから自分の考えや思いはいつも胸に置いとく。好きなものなど全て知っているのは陽斗。
「桃ーおっはー」
「おっはーみなみん」
「今日から私の弟の和喜も一緒でいー?」
「みなみんの弟なら全然OKー」
「桃ちゃん,この人達誰?」
「琴苺,この人達はいつも朝一緒に行ってる梨奈と美波で,美波の弟が和喜君!」
「ふーん」
琴苺は姉妹の事以外には全く興味がない。
ここまで来たら分かるだろう。家族障害になってる人は琴苺。そしてその障害はある家族,つまりは大切な人を失う事によって起こる。そして,その人にその亡くなった人と同じくらい違う人の事を好きにならなければ一生治らない。
さあ,もう少し時を進めよう。ここからが本当の物語だ。
ー次回予告ー
次回からの舞台は7年後。
琴苺達が通う桜中高一貫校では謎の男が現れる。
その謎の男はこれからどういう事で関わるのか。
読者の皆さん,次回更新の木曜日までに考えていてください。
そして,その考えは当たるのか,外れるのか。
楽しみですね。
ー原作者雑談ー
私の語彙力えぐいですが,見逃してください!w