昭和百年 LEVEL 6
1 month ago
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「今年も紅葉が見事だな」
「はっ。しかし城内に誰でも入れるのは、いかがなものかと」
「良いではないか。誰もがこの季節を楽しみ味わう。これぞ太平の世というもの」
「殿は、お優しい。さればこそ、無実の罪でこのような永蟄居に」
「はっはっは。また爺のその口癖か。もう何百年もその言葉、聞いた気がするぞ」
「はっ。しかし殿が領民のために、なさった事、この爺は誇りに思いますぞ」
「なに、大したことではない。まつりごとを預かる者として当然の事。民百姓あっての我らであり、藩であるのだからな」
「ははっ。御公儀にも、いつかは伝わると信じておりまする」
「なあ爺よ。今の将軍様は何代目になるのであろうか」
「はあ。この爺にも、しかとはわかりかねます」
「もしかすると、もう徳川様の幕府は終わったのではないか」
「な、なにを申される。滅多なことを。ならば殿はとうに許されているはず」
「そうよな。まあ良い。わしはこうして城内から世の成り行きを見守るのも悪くないと思っておる」
「ははっ。爺もお供させて頂きます」
来年2025年は、昭和100年になります。もしも昭和が続いていたら、ちょうど100年ということです。もしも江戸時代が続いていたら?なんていうifを考えるのも楽しいかもしれませんね。