桜雲幻夢 LEVEL 5
8個月前
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※無法編輯本作品標籤。
世の中に たえて桜の なかりせば
春の心は のどけからまし (在原業平朝臣)
ぽつっと明かりが灯ったように、その歌が頭に浮かんだ。
初めて会ったのは今年の正月。かるた会で同時に触れた札だから、やけに鮮明に覚えている。あの時、微かに触れた指先の感覚まで蘇ってくる。
辺り一面の綺麗な桜と麗らかな日差し…そして、驚いたような目差しの君。
心に立ったさざ波が繰り返し、寄せては返す。嬉しい…そして…
昨日投稿した「桜風浪漫」の続きです。「彼女」の目の前にいたのは、一人の男子学生でした。こちらは書生服と呼ばれる服装です。
「文学青年」と聞いて私が連想したのは、「知性」「眼鏡」「繊細」という言葉です。そこからキャラ作りをしました。色素は薄めにし、透明感が出るようにしてみました。線は細いけれども、首や顎のラインや手は男性らしさが出るよう意識しました。眼鏡(特にレンズ)の表現は、画像資料や自分の眼鏡を参考にし、質感や光の映り込みを意識して描きました。あまり描いた事のないタイプなので、とても勉強になりました✨
桜の下の再会という場面なので、ドラマチックな瞬間を切り取った一枚にしようと思い、光と影のメリハリや視線誘導を意識した構図、そして舞う花びらで動きを出す事を念頭に置きました。
「大正浪漫」というテーマなので、全体的な明度・彩度を低めにして優しい光を当て、レトロな雰囲気を演出したのは前作と同様です。光が当たる箇所を広めに取る事で、「彼女」が見ている「彼」はこんな風に眩しく見えている…という事を表現したいと思いました☺️
会うのはこれが二回目。でもお互い、何か惹かれ合うものを感じる。そんな二人を、温かみのあるレトロな雰囲気で描こうと取り組んだ、二枚一組の意欲作です✨
もしアイデアと余裕があれば、この続きもぜひ描いてみたいなぁ…と思うのであります😌
見ていただき、大変ありがとうございました🙇♀️