絵の紹介はコメントに記載しております。

見渡す限り砂と空だけ。砂漠地帯にある貴重なオアシスに20人ほどの集団が休憩をとっていた
小屋で休む少女に声をかける女
姫様、B国との国境まであと4キロです
最後の休憩ですね、ここで着替えましょう
この一団は A国の姫とそのお付きの者達である

A国と近隣諸国は、数年前に大陸全土で発生した疫病により一時的に外交封鎖していた。A国は国土が狭く資源も乏しい豊かとは言い難い。しかし、この国の王族は代々祈りにより災いを鎮める不思議な力を持っている。この力で周辺国との友好関係を築いていた。王族達の3年以上に及ぶ日々の祈りが遂に疫病に打ち勝つ。1ヶ月前の事である。皆歓喜した。祈りには王族の子供もいた。年頃の姫まで朝から晩まで休日もなく祈り続けたのである。そこで国民(議会)は彼女に旅行をプレゼントする事にした。もちろん政治的な意味もある
ちょっと派手すぎないかしら
そんなことありません。これでも地味な方です
先ほど姫に話しかけた侍女が身支度を手伝っていた
予定ではB国の王子が国境で出迎える事になっている

最後の休憩を終えて出発してから1時間ほど経った。ラクダにまたがり砂漠の中を移動する。もう少しで国境のオアシスが見えるはずだ。姫はB国の王子に久しぶりに会える事を楽しみにしていた。最後に会ったのは4年前だ。
隠れんぼをしたり、カードゲームをしたりした。幼馴染だ。見た目も可愛かったしイケメンになっているかもしれない
姫、姫
真上から自分を呼ぶ声がする。見上げてみるとウサギが空に浮かんでいる。
久しぶりだね。うさぎは友達口調で話しかけてきた。この空飛ぶ喋るウサギはB国の契約神(守り神)で精霊の1種だ
あら！お出迎えありがとう。久しぶりね
うさぎはフアフアと浮かびながら姫の乗るラクダと並走する
姫の祈りは、我がB国まで届いておりましたよ。国民皆感謝しております…と王子が言うと思うよ
姫はうさぎの言葉ににんまりした
相変わらずな感じで安心しました。あなた達精霊は自由でイイわね。できればB国に未来永劫いてくれると嬉しいわ
契約次第だね。さと王子が国境で待っているよ。そのラクダみたいに首を長くしてさ。姫がさぞエロ可愛くなっているはずと期待しているよ
そうですか。ふふっ
姫は目を閉じて深呼吸をした
10分後、砂漠の丘向こうに国境沿いのオアシスが見えてきた