「ああ。――――せめて、幸せにでもなってしまえば良かったのに」
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2年前
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そう言って。彼女は振り返ることもなく、歩み去っていく。白い背中は、逃げ水に飲み込まれるようにして遠ざかる。
あたしは、しばし呆然として、光ちゃんをそれっきり見失った。
残るのは、蝉の声の騒々しさばかり。まるで彼女は蜃気楼の幻のようだった。
と、今日のお題、ワンピースということで白ワンピースを着た拙作オリジナル小説のキーキャラを描いてみました!
彼女、実は笑顔で辛辣なのですねー。
「おほほ……淡さが瞳に優しい、それはその通り。そして、貴女が優しいのもそれは自然。だって貴女は何の意味も持たないのだから」
それは優しいだけのテキストに向けられた、意味深な哀れみ。