新しい朝の訪れを 一番に告げる 貴方の小鳥になりたくて
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5 months ago
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家令(使用人頭)に仕切られる使用人たちの朝は早く、中でもこの作業室(パントリー)付きのボーイの朝は誰よりも早くやって来ます。何故ならば彼の寝床は、使用人通路のドアの前に設置されている、戸棚から引き出す仕組みの簡易ベッドだからなのです。そのため、誰よりも早くおき、誰よりも遅く眠らなければならないのです。
そんな彼を気に掛ける一人のメイドが居ました。
そう、実のところ誰よりも早く起きていたのは彼女で、ボーイもまた『彼女の告げる朝』に救われています。
今日も厳しい家令が目を覚ます前に、パントリー室内は一時だけ温かな時間に包まれるのでした。