「タイムケンネル」第11回。 LEVEL 1
3 years ago
*/10
ダグ「今回は「アインシュタインの謎」について、調べたいと思います。100年前のベルリンの、ユダヤ人街に送ってください。」
ショムロン開発部長(准将)「良いだろう。」
(ブーーーン、タイムワープ!)
ダグ「アインシュタイン先生、今日は率直に疑問を述べます。」
アインシュタイン「素朴な疑問こそが発見の母、大歓迎だ。」
ダグ「先生は数年前に一般相対論を発表して、4次元時空の統一に成功しました。そして今は電磁力も統一した、「5次元大統一理論」を発表しようとしています。」
アインシュタイン「その通りだ。宇宙は美しい対称性によって成り立っている。それはアブラハムやイサクの神も予言している。」
ダグ「私は実は100年後の未来からタイムワープしてここに来たのですが、その5次元理論は間違っています。無駄なこだわりはやめて、先生の一般相対論を応用してホイーラー博士等がトライしてる、宇宙の起源の解明に先生の偉大な能力を使ってください。」
アインシュタイン「私は応用には興味がないんだよ。私が知りたいのは根本だ。」
ダグ「先生の物理的直観に敬意を表して伺いますが、重力と言う遠距離力と電磁力と言う近距離力が、本当にあのように単純に統一されるとお思いですか?」
アインシュタイン「確かにそこが悩ましいところだ。」
ダグ「それに核反応を支配する「弱い力」と「強い力」がさらに見つかるのはあと50年で、その時には素粒子の相互作用は先生が今考えているよりはるかに複雑なことが分かるのです。先生は結局、相対論にはちょうど良いタイミングでしたが、力の大統一には早く生まれすぎました。」
アインシュタイン「君は一体何を知りたくて、はるばる未来からやってきたのだ。」
ダグ「先生が40歳以降に急に凡人になった理由が知りたくてです。」
アインシュタイン「私は昔も今も変わらない。」
ダグ「さらに予言しますと、この後ドイツでは独裁者が台頭して、多くのユダヤ人が殺されますが、先生はこれまでの成果のおかげで、アメリカに招聘されて難を逃れられます。そして原子爆弾の開発にも協力しますが、平和運動も推進します。」
アインシュタイン「あ、そう。ところで虚数時間でワープしてきた君は、そろそろ帰る頃ではないのかな。」
(ブーーーーン、帰還)