オランダ島 LEVEL 3
3 months ago
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古来よりヨーロッパには、はるか東方に金銀を豊富に産する「金銀島」があると信じられていた。多くの冒険者たちが財宝を求めて航海をしていた。そんな中の一隻の船が日本にやって来た。しかし不運にも悪天候に阻まれ、ある小さな港に漂着した。場所は現在の岩手県山田湾。船はオランダ船ブレスケンス号。時に1643年(寛永20年)江戸時代初期、三代将軍徳川家光の時代である。
突然やって来た異人たちに住民はさぞや驚いたであろう。当然言葉も通じない。しかし彼らは、そのオランダ人たちを歓待した。ブレスケンス号は水を補給して再び探検の航海に出発した。そして一ヶ月後に再び山田湾を訪れた。その時も住民たちは彼らをもてなしたが、その後、突然彼らは捕縛されてしまう。役人たちに「鎖国」の禁を破ったキリシタンではないかと疑われたのだった。
盛岡藩で取り調べを受けたオランダ人たちは、ひるむことなく自分たちの目的を語った。その毅然とした態度に藩主は彼らをおおいに気に入った。江戸に連行される時には世話をした藩の役人が別れを惜しんで涙したという。
そのオランダ人が漂着した場所は今も岩手県山田湾に浮かんでいる。通称「オランダ島」という。それが縁になり、今でもオランダの市と山田町は友好都市として交流が続いている。