翼の代価は足でした。
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5年前
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[翼の代価は足でした。]
少女は自殺した。
「翼が欲しい。」そう願って。
そして飛び降りた。頭は潰れ暗い深い闇に落ちた。
─魂には三つの性質があるという。
理性、気概、そして欲望。
理性と気概が壁として彼女の背中を押した。
押し続けた先にあるのは欲望。
それは底無しの沼である。─
少女は思う。
「大罪と言われる七つの欲を満たしてみよう。そしたら私はこの沼から抜け出せる。」
皮肉かな
幽霊になった少女は、白く美しい羽を授かった。
永遠に、永遠に出口がない沼を
ただただ、飛び続けるために。