趣味全開
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6 years ago
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童(わらべ)が独りで祭りを練り歩けば
心惑わすお囃子の音と共に神隠しに遭ってしまうよ──
活気に満ちた祭りはもうおしまい。
大輪の花が散れば人も散る。
フリスクは屋台で買ったお面を被ってヨーヨー片手に家へ帰ろうとした。
辺りは鈴虫と蛙との調子がずれた合唱が響き渡る。
うだるような暑さだった昼間とはうってかわって、夜は心地よい涼風が浴衣をすり抜ける。
人気のない山道を静かに歩いていると、何処からかチンドンチン、とお囃子に似た音が聞こえてきた。
フリスクが横を見やると、重々しい雰囲気の鳥居が息を殺すように立っていた。
音はこの奥から聞こえてくるようだ。
まだお祭りをやっている地域があったのだろうか。
不気味な佇まいの鳥居は、奥に何本も続いている。
『こっちでもっとたのしもうよ』
ぼやけた声がフリスクを誘う。
その言葉が幼心を揺れ動かす。
かくして童は鳥居をくぐったのだ──
なんて冗談です(-_-)
ただただFriskに浴衣を着せたかっただけ。