特別観望会
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留言
2天前
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※無法編輯本作品標籤。
はーい、みんな注目!上見て。
なんか明るい星が見えてるでしょう。あれは今夜特別に昔の夜空を再現したものです。どれくらい昔かといえばちょうど2000年くらい前です。突然、あんなにも明るい星が見えて、昔の人もビックリしたでしょうね。
現代では、その正体はわかっています。超新星爆発による輝きなんです。その星は年老いて、周囲の惑星達を道連れに、大爆発をして星の生命を終えました。
惑星には知的生命体も存在しました。
その姿は、私たち人類とは似てもにつかないのですが、私たちと同じように、人格があり心も夢もありました。ただ母星の爆発から種族ごと脱出する科学力はなかったんです。残念ながら。
悲しいことですが、それももう2000年以上も前のことです。
光が進むのに2000年かかったのですから。
今夜はそんな彼らに思いを馳せてみましょう。
あなた達が「ベツレヘムの星」と呼ぶ、あの輝きを見ながら。
このショートストーリーは、アーサー・C・クラークが書いた「星」という短編から、ヒントを得たものです。ハヤカワ文庫から出ている「ベストオブアーサー・C・クラーク 90億の神の御名」に収録されていますので、興味がありましたら、御一読ください。