創作
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4 years ago
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まだ子供だった私を残して母は居なくなった。母は美しい人魚で、とても優しかった。
物心つく頃に父は既に居なかった。強く優しい人だったと、貴女の瞳はあの人にそっくりだと母はよく言っていた。
森の奥、静かな湖の畔。そこに佇む小さな家。ここはかつて過ごしたあの場所に似ている。私の生家。母との思い出、父の面影。
往々にして現れる異形の者。静寂を破る獣。
私は戦う。この場所を守る為に、この世界を守る為に。