連続漫画「タイムケンネル」第10回。
3 years ago
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ショムロン開発部長(准将)「トニー、今日は10年後と言わず、50年未来に行ってもらう。」
トニー「ラジャー!」
(ブーーーン、タイムワープ!)
トニー「あなたは誰でしょう?」
王「私はビンランディア王国のビンランド3世だ。」
トニー「あれ、おかしいな、この時代の最先端国に送ってもらったはずなのに。アメリカはどうなったのですか?」
王「アメリカなら、人権とか平等とか隣人愛とか、そういった外向きの良い顔をしているうちに、衰えたわ。」
トニー「それでは今最先端なのは、ロシアですか?」
王「共産主義が人民になんの良い作用もしなくてな。結局昔の農奴制に戻ったわ。」
トニー「分かった、今最先端なのは中国だ。」
王「中国も修正共産主義あるいは鄧小平思想によって、結構なところまで行ったが、結局は中国のお家芸のあるいは共産主義にお決まりの、路線闘争で内輪もめして潰れたわ。」
トニー「それではいま世界を引っ張っているのは、どの国ですか?」
王「我がビンランディア王国だ。」
トニー「王政がベスト?信じられない!」
王「王政が最善で最も効率的なのは、これまでの歴史が証明している。」
トニー「そう言えば当時の予想では、人工知能が人類知能より大容量になる「シンギュラリティ」が、20年くらい前に、起きているはずですが。」
王「ああ、起きたよ。それで何かが直ちに変わったわけではないが、その数年後に人工知能が自我を持ち始めた。量子暗号をパスできない者は、修理に入れなくなったのだ。」
トニー「人工知能が自己防御の本能を持った!それなら人類より明らかに優位だ。じゃあ今人類はどうなっているのですか?」
王「これだけヒントを与えても分からぬのか。愚かなものだな人類は。」
トニー「え!まさか王様、実はあなたも人工知能! じゃあ人類は本当にどうなっているのですか?」
王「そんなに人類が見たかったら、町はずれの動物園にでも行ってみろ。」
(ブーーーーン、帰還)
トニー「今見てきたことは、人類の平和のために黙っておこう。と言うか、あちらの世界での記憶が全部消去されている!」