いばら姫 できそこないのおとぎばなし
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8 years ago
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おとぎ話は残酷かもしれない
いばら姫はいばらに覆われた城の奥底で
呪いによって眠り続けるお姫様を強くて美しい王子様が助け出し
口づけによって眠りの呪いを解くお話
ある日のこといばらの城に挑む勇敢な者が現れた
険しいいばらを鋭い爪でなぎ倒す姿は
強くはあったが美しいとは言い難く
彼には口づけができるような唇はなく
代わりに鋭い牙がそこにあった
ほどなくして彼は城の奥、少女のところにたどり着くが
いばらのトゲよりも鋭い爪では彼女を抱きかかえることはおろか
触れることさえできなかった
もしこんな手で触れようものなら
少女をズタズタに引き裂いてしまうだろう
その時彼は自分が王子でないことに気が付いた
彼ができることは二つ
いばらの代わりになること
本物の王子が来るまでの間
ただひたすらいばらのトゲのごとく少女を守り続ける
もう一つは、王子に殺されること
いばらの排除と口づけが少女の呪いを解く唯一の手段だからだ
彼は待ち続ける、城を覆っていたいばらさえ枯れるほどの長い時間
彼女の呪いを解くために、王子に殺されるその日まで…。