寝台列車で見る夢 LEVEL 7
3 months ago
*/10
*You cannot edit these tags
「まもなく午前零士になります。これ以降は明朝まで車内放送によるご案内はなくなります。ご注意ください」
そんなアナウンスが流れる、ここは寝台列車の中。夜通し走る夜行列車の中でも、寝台列車は特に人気だったという。青い客車は美しく、まさに「ブルートレイン」の名にふさわしい。とはいえ実際に体験すると、どうだろうという興味があった。私はA個室寝台を選んだ。それでも、ずいぶんと狭いと感じた。さすがに二段三段の寝台は女の一人旅には厳しい。列車によっては食事もできる食堂車も連結されたりもするという。そういった寝台列車は人々の憧れだったそうだが、利用実績は減少し「現代」では消滅した。
「動くホテル、か」
思ったより揺れる車内で、今夜ちゃんと眠れるだろうか心配にもなったが、その揺れはやがて心地よい眠りを誘った。深夜、気がつくと列車は停まっていた。どこかの駅らしい。確かにアナウンスはない。窓の外を見るとホームを歩いている人がいる。ちゃんと降りられて良かったですね、とその見知らぬ旅人に心の中で声をかけた。そしてまた列車は動き出し気がつくと眠りに落ちていた。目が覚めたら目的地だ。