連続漫画「タイムケンネル」第07回。
3年前
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ショムロン開発部長(准将)「シゲ、お前はいつに行きたい?」
シゲ「オレは140年と言わず1400年前の飛鳥京に行きたいです。」
(ブーーーン、タイムワープ!)
推古天皇「お前は誰じゃ、ここは下賎の輩の来る所ではないわ。」
シゲ「陛下、私は占い師でございます。あの卑弥呼さまの子孫になります。」
推古「なに、卑弥呼さまの子孫、、、なら話を聞こう。」
シゲ「陛下も女性初の天皇になられてもう20年、そろそろ摂政の聖徳太子に譲位なされませ。」
推古「譲位だと、良く軽々しくそのようなことを口にするな。先の天皇で生前譲位した王など居ない。」
シゲ「だからこそ推古陛下が率先して譲位して、後世の見本になるのです。それに聖徳太子は極めて徳が高い。」
推古「この何も知らない愚か者が。今の大和政権など一皮むけば、豪族たちの緩い連合体だ。気を許すと何が起ころかわからない。現に蘇我と物部の間が険悪だし、他にも橘氏、秦氏、葛城氏、伴氏等々、切りがないわ。」
シゲ「ですが今摂政の聖徳太子は、あなたの長兄の用明天皇の息子でおられ、政治もよくこなしておられます。人望も厚くかつきわめて聡明です。」
推古「くどい。今の飛鳥を治められるのは人徳でも聡明でもないわ。ひたすらに腹芸である。」
シゲ「私が占ったところ、聖徳太子は間もなく若死にされ、後ろ盾を失った子の山背皇子も暗殺されます。」
推古「もう良い、下がれ。自分の未来でも占っていなさい。」
(ブーーーーン、帰還)
シゲ「だめだ。やっぱり歴史は変えられなかった。」