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札幌市電 路面ディーゼル車 D1000形

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1年前

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札幌市電を運営している札幌市交通局が1958年に導入開発した車両で、日本では此処だけの路面ディーゼル車です(伊予鉄道の坊っちゃん列車も一応ディーゼルだけど、向こうは蒸気機関車に似せたディーゼル機関車が客車をけん引する観光客向けの列車なので対象外)。

1958年当時の札幌市は市北部(北27条、麻布町方面)での人口が急増したため、市電の北方面への延伸が急務となっていました。しかし、市電を延伸する場合、新たに変電所を増設しなければならず、その費用も膨大となるため、交通局では線路の延長のみで済む、路面ディーゼル車の開発を進め、試作車として竣工されたのがD1000形でした。

D1000形は210形を若干長くしたようなスタイルで正面スタイルは全く同じ一枚ガラスで前照灯は立てに二つでした。エンジンは水冷式4サイクル6シリンダ直列横型120HPのアンダーフロアエンジンで、トルクコンバーター(液体式変速機)を介してプロペラシャフトで片側台車の2軸を駆動する方式でした。空車と満員時の床高を一定に保つ観点から市電では初となる空気ばねを採用、ブレーキは空気圧ブレーキの他に油圧式ブレーキを採用していました。

路面ディーゼル車は初めての車両なので苦労も多く、運行を始めておよそ1週間後にトルクコンバーターに故障が発生し、新たに採用された三級整備士がメーカーからの説明書を読みながら徹夜で対処するも、遂に修理が出来ず翌日の運行を取りやめにせざるを得ない事もあったとの事。

何はともあれD1000形はまずまずの成果を収めたため、路面ディーゼル車の量産が決まり、1959年にはD1010形3両が、1960年にはD1020形3両が製作。1963年に市電が麻生まで延伸された際にはD1030形3両が、翌1964年の新琴似駅前延長に際して路面ディーゼル車としては最後となるD1040形2両が製造されました。

その後、1967年に麻生変電所が建設され、未電化区間の電化が完成した事に伴い、路面ディーゼル車は電車に改造されていきました。

台車は細かい部分が多いので描くのは非常に苦労しました。

参考文献
 札幌市教育委員会編『さっぽろ文庫22 市電物語』北海道新聞社
 札幌LRTの会編『札幌・市電の走る街』トンボ出版

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