小説挿絵『桃紅柳緑』
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4 years ago
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『桃紅柳緑──アイツが俺を嫌いな理由と、俺がアイツのことが気になる理由──』著・当麻咲来さん
https://estar.jp/novels/24931169#no_transition
P211~ 第十三章(9)
https://estar.jp/novels/24931169/viewer?page=211
挿絵描かせて頂きました。
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「……慶?」
後ろから声を掛けられて、足を止める。
「……なんかあったのか?」
声を掛けてきたのは、部活もないくせに、学校の道場で自主練習している剣道バカの土方だ。
「……なんか、珍しくマジな顔してんな」
そう言われて、思わず絶句する。
「どっかに殴りこみ行くみてぇな顔してやがる……」
そう言うと、彼は小さくふっと笑う。
「……さあ、知らないよ」
出た言葉はそれだけだけど。土方が何故か竹刀バックを下ろして、バックの先についた青い色のお守りを外し始める。そして外し終わると、それを掌に収めてから、何も言わずに、俺に竹刀バッグを突き出した。
「……なんだよ?」
「……わかんねぇけど、殴り込み行くならソレ持っていけ」
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*小説お借りしています。