ロナウド君、人外に堕ちる
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3年前
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「ほんの数秒間だけ、全身が砕ける痛みで苦しみ、
徐々にその痛みが、感覚が消えていく虚しさを覚えた。
自由に動けない辛さがあったが、でも己はそれでも諦めなかった。
さて、固形の肉体を失った分、魂や精神の力は著しく強くなるという話を聞いたことがあるが、
己も予期せぬ形でそうなった。
するとどうなると思う?
想いの力が具現化しやすくなるのだ。
それも不定形の液体だから、なおさら形作られやすい。
それで奴に立ち向かおうという、今までにない程に強い決意を抱いた時。
濁った淡黄色の液体が、ヒト型に象られていった。
己はそんな状態なんぞ殆ど見向きもしなかったが、
がっしりと剣を持つ感触が体全体に響いた。」