俺の彼女が鬼で同級生で奥さんな件について。 LEVEL 6
18
1,329
留言
4年前
*/10
「夕餉(ゆうげ)の支度ができたぞ!」
彼女の名は桃鬼(ももき)。ちょっとばかし派手な見た目の愛らしい彼女の正体は、実は鬼である。
先祖代々退魔師の家系に生まれた俺は、ひょんなことから彼女と出会い、何故か懐かれて下宿先に押しかけられ、今に至る。
転校生として現れた際に着手した高校の制服の上からエプロンをかけ、意気揚々と俺を呼ぶその姿はどう見ても人間だが、頭には立派な二本の角が生えている。以前、その角が紅ショウガに似ているとからかったら一日中泣きべそをかいていた。
今日の献立は自信作だぞ、と微笑む彼女の指先はいつも絆創膏だらけだ。彼女は優しい鬼だった。
人を愛し、仲間を愛し、たくさん裏切られ、何度も傷付いた。
そんな彼女を守りたいと思った。たとえ己の血に反することになったとしても。
これは、鬼で同級生で奥さんのような彼女・桃鬼と、
元退魔師の恋の物語である。