あの頃、よく見ていた光景
2 years ago
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約7年ほど前の話ですけど、当時わたしは「新聞奨学生」として田舎から都会へやってきて、ほぼ毎日新聞配達をしていました。
当時の心境を正直に話すと、ただただ辛かったです。
家賃や学費を代わりに出していただけるという、出血大サービスを受けている以上、そんな文句は許されないとわかっていましたけど、やはり辛かった。
肉体面は問題ありませんでした。高校卒業後でしたから。精神面ですね。かなりボロボロでした。
「何しに自分は都会へ出てきたんだっけ?」
そんな自問自答を繰り返す毎日です。
そんなある日、朝の配達を終え、一息入れようとふと遠くの景色に目を向けました。
朝なのに、まるで夕焼けのような赤と青のグラデーションに染まった空。
その空をみていると、なぜか涙が溢れてきてしまいました。
ただ、その涙は「悲くなったから」ではありません。
そっと「頑張れ」って言ってもらえたように感じたからです。
それ以降、朝の配達が終わったら必ず空を見るようになりました。
「今味わっている色々な困難が、いつか報われる日が来ることを願って」
今回のイラストコンテストにあたって、どんな絵を描こうかなと思ったとき、ふと「新聞奨学生をしていた頃にみた、あの空」を思い出し、今回の絵を描くことにしました。
長々とすみません。一人でも多くの人に、この絵へ込めた思いが届いてくれると嬉しいです。