時の管理者 LEVEL 3
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1 month ago
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「庭じい、おはよう」
「おお、これは若きメイド殿、もうそんな時間か。今朝も時計のネジ巻きご苦労じゃの」
「まったく、このお屋敷は時計多すぎなのよ。ネジ巻きと時間合わせだけで大仕事」
「おかげで、わしらは正しい時間を知ることができるってわけじゃ」
「ねえ、庭じい。昔の人はどうやって時間を知ってたの」
「うむ、機械時計以前は自然の力で時を計っておった」
「自然?」
「そう、火、水、砂などじゃな。そうそう、わしが手入れしとるお庭にも日時計がある。知っとるじゃろ」
「ああ、そういえばあったね。でもさあ、日時計って雨の日はどうしてたの」
「もちろん時は計れんから仕事も休みじゃ」
「何それ、いい加減ね」
「それで良かったんじゃよ、昔は」
「じゃあ、夜はどうするの。陽は出てないでしょう」
「ふふふ…。実はな、昔は夜に時間なんてなかったんじゃ」
「え?」
「あんたも、いずれはわかる時がくる。本当は時間なんてものは、どこにもないことを」
「また庭じいが、わけわかんないこと、いってる」