連続漫画「タイムケンネル」第09回。 LEVEL 1
3年前
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シゲ「今日は行った先で更にもう1回ワープをしたい。そして無名の人にも会いたい。90年前の昭和初期の、山形県及位村(のぞきむら)に送ってくれ。」
ショムロン開発部長(准将)「良いだろう。」
(ブーーーン、タイムワープ!)
シゲ「あのう、結婚前は「水野花」と言った、お花さんはどこですか?」
村人「ああ、お花婆さんの家なら、そこの角を曲がって2軒目だ。」
シゲ「お花さん、初めて伺いました。」
お花「まあ、どなたでしょう。」
シゲ「はい、シゲと申しまして、石光真清さんの知り合いの者です。」
お花「まあ真清さんのお友達!真清さんとはウラジオの港で別れてから、30年も会ってないわ。お元気かしら。」
シゲ「はい、今は満州密偵の現役を引退して、自伝を執筆しておられます。「お花さんはあれからどうなった」などと、気にしておられます。」
お花「私は当時と一転して、子や孫に囲まれた平凡な田舎暮らし。でもこれが幸せなのでしょうね。」
シゲ「それでは真清さんには、そう伝えておきます。」
(ワープして、東京郊外)
シゲ「石光真清さんですね、今お花さんに会ってきました。東北の田舎で幸せに暮らしています。」
真清「それは良かった。それこそ日露戦争前は密偵として、一緒に満州や沿海州を駆け巡ったからな。他の人たち、お君とかお園とか、花田大佐とか、馬賊の増世策とかも、皆元気だろうか?」
シゲ「鬼籍に入った人も居ますが、皆さんそれぞれの道を歩んでおられます。」
(ブーーーーン、帰還)
ショムロン開発部長「今日の実験も、うまくいった。」