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代理学園第十話
なんかバグってループしてたので上げ直し

#代理学園〈小説〉

代理学園第十話

「それでは...小テスト、はじめっ!!」

つばめの合図とともに試験が開始する。といってもそんなに重大でもない。

かもめは順調に問題を解く。彼女の得意教科、というのもあるが。
とくに引っかかることなく、問題用紙の端にたどり着こうとした、その時。

透海の机から、音に乗せて信号が届いた。

モールス信号。地球では最も一般的な、情報伝達のための暗号。
大体(というかかもめは)かっこいいから、とかいう傍から見ればどうでもいい理由で習得する。

だが、透海はそうではなかった。
透海だけではない。他の皆もだ。

テストで、問題がどうしても、どうしても詰まった時のために、かもめが叩き込んでおいたのだ。

透海が送ってきた信号は―――

・・-・・ -・-・・ ・-・・・ -・- ・--・ -・

かもめは頭で変換する。

(ト...キ......オ...)
(解き終わった…?)

なんだ。心配して損した。

安心したのもつかの間。次は...玲からだ。

・・・ --- ・・・ ・・・・ ・ ・-・・ ・--・

(S...O...S...?!)
(SOS、HELP...?!)

かもめはやばいと焦り、玲に聞き返す。


・-・ -・-・ ・-・・ ・・ ・・-・-

☆☆☆

あたしは星宮玲。絶賛大ピンチ。

こんな時のためにかもめちゃんから教わったもーるす?をっ...

・・・ --- ・・・ ・・・・ ・ ・-・・ ・--・

伝わる...かな…



少しして。

・-・ -・-・ ・-・・ ・・ ・・-・-

(な...に...)

なにが?。

えっと...この大問3の(B)だから...

・・・-- -・・・・- -・・・

と、打ち終わったとき。


試験管(つばめ)に腕をつかまれた。

「不正...行為は禁止ですよ…??」

普段のやわらかな彼女からは感じさせない、謎の圧を感じた。

玲は諦め、再び問題用紙とにらめっこを始めた。

(だいじょうぶ。あんなに勉強したんだもん。あたしなら、きっと―――)

☆☆☆

「はーい!じゃぁ後ろから回して頂戴」

試験終了のアナウンスと同時に、みんなが紙を回し始める。


かもめは、玲のことが心配でたまらなかった。他の皆からはなにも来なかったから、きっと大丈夫なのだろう。

「試験結果は今日の夕方に掲示板に貼っとくわね~」

☆☆☆

ー試験結果ー

一位 雨廻 うみ娘 100
一位 勿 ナナ   100
三位 海咲 かもめ 95
四位 雑賀 音猫  93
五位 轟 ヒカリ  90
~
十四位 星宮 玲  68

※なお、落第者無し。

☆☆☆

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