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雑記(特);小随筆155 労働安定九原則補足
 社会全体に孤独が充満している、というのは、例えれば、ちょうど、手探りで闇の中を歩き、自分が持てる解決法は全て出してしまい、あとは「想定外の事態という光」を「待つ」ようなものではないだろうか。
 「待つ」しかない、ということは、即ち、誘拐、拉致されているようなものである。確かに、違法残業などは言いかえれば「不法拘束」である。これが充満しているということは、即ち、「一億総拉致被害」状態といえよう。

 前掲154はこれについての、私の力での現在思いつく範囲での解決策の提示である。
 まるで急進左派、と誤解を招きそうなので以下に補足する。
 読めばわかる通り、政府は今「働き方改革」を掲げ「同一賃金同一労働」「非正規一掃」を目指しているが、私はこれにやや悲観的である。ここで挙げている政策は、それ以前のレベル、非正規の「雇用維持」に重点を置いている。非正規の「正規化・賃上げ」などにはあまり触れていない。
 また、非正規比率の低い部門と高い部門とで対処法を分けている。即ち低い部門で解決可能な政策が、高い部門では導入できない恐れを考慮しての私案の提示である。
 つまりこれらは政府の「働き方改革」よりも右寄りの内容である。この私の考慮が実行可能なものなのかどうか、働き方改革本部の構成員とは話し合ってみたいものである。

 さて、ここで私は「一億総拉致被害」状態にある方々の、閉じ込められている部屋の鍵とドアを開けたことになる。
 しかし私自身はこの部屋に入ることはできず、ここから先は、皆さんが自分の足でその部屋の端からドアの外まで歩いていただかなければならない。なぜなら私がこの部屋に入ってまでして皆さんと接触していると外からドアを閉められ私まで被害に遭う恐れがあるからである。皆さんの部屋は一つ一つ独房なのに、せっかく皆さんの鍵を持っている者まで入れられて鍵を変更されては元も子もないのである。

 これは実行までに時間のかかる政策論ではなく、倫理論である。即ち、皆さん一人ひとりが、前掲の、個々を尊重し合う絆という「間接収入」を、名誉金銭などの「直接収入」よりも価値があるということに気づけば、明日にでも解決することである。

 しかしこれが問題でなかなか出てきていただけない。
 直接収入の奪い合いは即ちリヴァイアサン、万人の万人に対する戦いである。当然ながら自ずと全員負け組になる。
 但し日本の場合はその特殊系で、万人が特定少数を攻撃する類型である。
 少し前までであれば身体障害者などがこれに該当していた。現在は、身体障害者などを攻撃すると目立ちすぎるので、それらは神棚にあげ、より巧妙になっている。
 即ち、人の集団には、A;「圧力」でなければ通じない動物の群れ と、B;相互の「対話」により成立する仲間 の両方があるが、Aの場所において誤ってBと錯誤した者、が主にその対象になることが多い。なおAオンリーでもBオンリーでもなく両方があり、この判断は困難を要する。Bの中に入ったAしか知らなかった者がBを理解できれば問題はないが、大半の悲劇はその逆の事例の場合に発生している。
 しかしこれもリヴァイアサンの一類型に過ぎない。
 万人が万人と戦っている以上、この状態は未熟であり万人をあてにしての多数決、民主主義は危険である。リヴァイアサンをリヴァイアサンであると気付いた者はそれを解消しようとする意思を持つが、これはごく少数であり、リヴァイアサンが終わるまでは彼ら賢人による少数支配しか選択できる道はない。リヴァイアサンに走る、あるいは、ポーズとして、急進的な政策を掲げる者ばかりで、私のような一個人がこのようなより実施可能性の高い政策を提示しなければならなくなっているのがその証左であろう。
 しかし残念ながら現状そのような意思のある者、また間接収入と直接収入の価値を逆転させられる者は殆どいない状況にある。これだと、独房の外で独房の鍵を開けている者ですら、出てくるのを「待ち続ける」状態となり、結局皆さんと同じ誘拐、拉致被害状態となってしまう。
 とはいえ、拉致の被害者も捜索者も、たとえ解決策が「想定外」のものしかあてにできなくなっても諦めてはいない。どの地域でも、国家・法政制度は時代とともに、揺り戻しがあっても着実に進歩し続けているからである。
 全員が、拉致被害に遭ったかのような、待つことしかできないという、孤独に包まれており、間接収入を得られていない。
 しかしこの状態は、一人ひとりがそれを解消したいという意思を持てば解消できるものである。皆さんが、間接収入を得たいと願い、既に私が開けたその独房から出てきていただくことで解決するとあらためて提唱する。
 
 

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