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代理学園第七話
休みボケで今日が日曜だと思ってました本当にごめんなさい

第七話↓


代理学園第七話

「カラオケに来たぞぉー!!!!」

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遡ること一時間前。

朝。起きて、まくが精いっぱいのバカデカボイスを発する。
「じゃあ今日はとりあえずかもめの実力試しだね!」

かもめはそこまで乗り気じゃない。
「とはいってもどこで…」

「えっと、調べたんだけどね、この学園、カラオケあるらしいよ、
 今日は土曜日だし…」

まくが目を輝かせる。
「むぅにゃまじナイス!!!」

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「ということで始まりました、第一回パンタソスカラオケ大会ー!!!」
やはりまくの声はでかい。なにしろでかい。

かもめは元々乗り気じゃないが、こういう場ではテンションぶち上げタイプなのだ。

むぅにゃは提案者故、割とノリノリだ。

くじらは...少し眠そうだ。
「...いや今朝の7時ですよ!?」

そして...一人の少女が混ざっていた。
「いぇーい!!!!上げてこー!!!」

「...いや、なんで玲ちゃんがいるんですか!?」

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玲が渋々事情を説明する。一言一言に哀しみがこもっている。
「いやね、なんか今日、寮の皆が予定あるみたいで...」

「透海はゲームのイベラン、柊雨先輩は優香里先輩とデート、
 瑠花は...昼くらいまで寝るって」

なんか一人だけ予定じゃないような。

「それであたし暇だったから...」

玲が急にテンションを取り戻して言い訳を連ねる。
「まぁ別に!あたしは!歌部門でないから!いいよね!!!」

「よしじゃあ歌うぞー!!」
今日のまくはなんかぶっ壊れている気がする。

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「海咲かもめ中学一年生、初音ミクの消失を歌います」
ついに私の番が来てしまった。

(滑舌でごまかそう...)

「...♬♬♬♬♬♬♬♬」
出だしは順調。このまま...

「♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬...」

(よし難所突破、これなら...)

かもめの息継ぎと同時に、Aメロが始まる。

「♩ー♪♩ー、♬♩♩♩、♩♬、♬♩ー♩ー、♩.♪♩♩」

リズムは取れている。歌詞もはっきり聞こえる。

ただ、本人の自覚は無く、

音程が絶望的だった。
サビに入るとさらに悪化する。

「♩ー♩、♬♩♩♩、♬♩ー♩.♬♩♩♩♩♩ー...」

これじゃあまるで別の曲だ。音程の消失。

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「海咲かもめ中学一年生、初音ミクの消失を歌います」

(?!)

正直、聞いている4人は驚いたのだ。初音ミクの消失、なんて。

(音痴な人の選曲じゃない...まさか、かもめって...)
(かもめちゃん、あんなこと言ってるくせに歌うまいんじゃ...)

曲が始まった。

「...♬♬♬♬♬♬♬♬」

(え)
(普通に滑舌いい…)

「♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬...」

(肺活量もすごい…)
(これ、オンチじゃなくない!?)

皆が少し期待し始めた。
だが、その感情は一瞬にして消えた。

「♩ー♪♩ー、♬♩♩♩、♩♬、♬♩ー♩ー、♩.♪♩♩」

(リズムは取れている、滑舌もいい)
(なのに...)

全員が同じ考えを抱いた。

(どんだけ音程外れてるの?!)

サビに入る。

「♩ー♩、♬♩♩♩、♬♩ー♩.♬♩♩♩♩♩ー...」

(すごい…一個もあってない...)
(わたしは陸の曲あまり知らないけど、分かる...
一個も音程合ってない気がする...)

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点数発表。

皆、固唾を呑んで見守る。同じ方向を見つめて。

結果は――――――――――

53点。

「ほら...やっぱりね…」
「自分でもどこが音痴かわからなくて…」

まじか。あれで自覚ないのか。

(これは大変...)
くじらは、約束したことを後悔し始めた。

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一日前。

「くじらちゃん!!!頼みごとがあるの!!!」
優香里が、廊下に響き渡る声で叫ぶ。

「ちょ、ちょっとそんなに大きい声を出さないでください
 で、頼みって...?」

優香里は少ししてから、
「くじらちゃん、かもめちゃんと同じ寮でしょ...?
 かもめちゃんと一緒に音楽祭出てあげてほしいの!!」

「なるほど、音楽祭に...」

「えぇ?!」

くじらは慌てる。
「?!話の流れが掴めません!何が、?!」

優香里が説明する。
「いやね、僕が悪いんだけど…
 楽器の発注ミスって鍵盤楽器超少なくてさ...」

「それなら自分で何とかしてください」

優香里は構わず続ける。
「多分くじらちゃんの方が教えるのうまそうだし!
 寮も一緒だし、適任だよ!!」

くじらが納得いってなさそうなのを見て...
「じゃあ音楽祭終わったらうどん奢る!」

くじらがピクリと反応した。
「...本当ですね?」

「本当!!!本当の本当!!!」

「わかりました、約束ですね」

優香里は、これ絶対に破れないやつだ、と、その日から貯金を始めた。

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