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随並210;麻薬タイプの正論
 犯罪心理は、故意と過失、細かく分けると4つ、さらに私は一つ追加して5つに分類しました。
 即ち、無認識過失、悪意ある無認識過失(ふざけていたがこんなことになるとは思っていなかった)、有認識過失(このくらい大丈夫だろう)、未必の故意(仕方ない (ベストを尽くしたかどうかによってさらに分類))、故意です。
 ですが人は通常自分のことを正しいと思っていたいものです。故意以外は全て一定の正論の元になされています。故意ですら「ついカッとなって」であり、またそれは「自分の憤慨度を示したかった」という説明もできます。
 謝罪をしたり弱弱しい態度をとったりするのすら、それが正しいと思うからです。むしろ、「弱弱しい」態度を見せなければならない、というのは、「強い」信念に基づいてなされている場合が多く、そちらの方がかえって強いという見方もできます。
 しかし正論には、「通常の正論」と、適応機制、つまり、「一見正論に見えるが実は麻薬でしかない正論」があります。この区別があればそんなものには手は出しません。私の過去レスを見てもそういった投稿をした記憶はありません。ですが、近年この混同は目立ちます。
 たとえば、人権侵害を受けた際、それを、相手や、弱者に向けてやり返すのは「復讐」です。これは「秩序危機」しか生みません。一方、自己や他者をそういった被害から守ろうというのは「自衛」です。この場合は前者が麻薬タイプです。
 また、差別は実は全て悪と言いきれない場合があります。幼児や外国人観光客にマナーを教えるとき、「これだから○○は」と思うのは統計情報上もおかしくなく、またそれを頭に入れておいた方が丁寧にマナーを説明することができます。上から目線にはなりますがこれはやむを得ません。なんでも上から目線と批判している方が反抗期です。
 ですが、幼児や外国人観光客の方が正論を言っているときに、「○○のくせに」とやってしまうとこれは麻薬タイプの正論です。かつては女性、子ども、障害者、最近はこれらは徐々に神棚扱いとなり、「喜怒哀楽、とくに哀を含む、の全てを備えている男性」が対象となりつつあるようです。感情の一部が欠損している方が正常と、こうして文章にすればその異様さはわかると思います。
 また、「少数者のくせに」というのもあります。集団行動や、意思決定の制限が合理的に許されるのは時間的制約だけのはずですが。
 あるいは、収益格差が拡大しましたからそれを持ち出すこともあるでしょう。もちろんこれは続けていると少子化が進行し社会保障に危険が迫りますので、コンビニに代表されるような、「安定労働が確保できないようなまでの消費サービス」の追求は今後見直されなければなりません。
 さらに最近は怪我や病気の頻度が減りましたから「しんどそうな顔をしているくせに」というのもあるでしょう。「中二病」という言葉がありますが、本来は、「不必要に」危機を感じている者に用いられていたはずですが、どうも最近は、いち早く危険に気付き、「災害に備えよう」と言うのも中二病と呼びあざ笑うらしいです。これも麻薬タイプでしょう。
 それが自称「日本の価値観」と呼ばれ跋扈していますが、戦前の日本の神仏と戦後の欧米の人権の内容は概ね同じですので、この自称日本の価値観は、実は「戦後関東の価値観」でしかありません。それが真っ先になおざりにしたがるのが京都でしょう。中央新幹線を北陸との接続も考慮せず布引山中に通そうとしている様をみれば手にとるようにわかります。JR東海とは現代日本の非合理性の側面を結集した象徴的な存在といっても過言ではないでしょうし、識のある者であればその先にある秩序危機も容易に見てとれるでしょう。
 さて歴史的に見れば麻薬の流行はどこも一時的です。すでにどっぷりと麻薬に浸かってしまった世代もいますが彼らのことはもうほっておきましょう。少し長い目で見ればこれらは結局はすぐに収束されるものです。

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