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京都国際漫画賞2018海外部門 結果発表 | コンテスト - メディバン(MediBang!)

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大賞

薰/她他~彼女と彼

作品言語中国語(简体字)

有藤氏コメント

「雰囲気」を描くのがとてもうまい上に気持ちが伝わってくる。キャラの描き方に好感を持ったので、つい上位に推してしまった。モノクロで描いたらどうなるか見たいところではある。

鈴木氏コメント

タッチも色彩も淡いのにとても印象に残ります。光や風や温度の感じられる素敵な絵で、人の息づかいも伝わってくるようでした。この出会い(再会)からどんな物語が始まっていくのか、これから先を読みたかったですが、青春のキラキラした感じと、ちょっとノスタルジックな感じが混ざった優しい世界観にとても惹かれました。人や世界を見る眼差しがとても温かいこの作者の方が、これからどんな作品を描かれていくのか、とても楽しみです。あえて付け加えれば、そういう良さを生かすためにも、ぐさっとくる痛いシーンやドキドキする艶っぽいシーン、とてもバカバカしくて笑っちゃうシーンなど、持ち味とはギャップのあるエピソードの入ったお話も読んでみたいです。

林氏コメント

絵がメチャクチャ上手い。日常の空気感を描き出す力量が凄い。なんてことないシーンでも、読ませる力がある。色彩感覚も絶妙で、特に最初の見開きのピンク色の使い方には、目を奪われた。温かい色味を活かした連載作品を是非に読んでみたい作家。

中野氏コメント

物語としてまとめる構成力を磨けば、情緒的な表現ができるタッチとセンスがさらに光る!

準大賞

  • 有藤氏コメント

    決して独創的ではなく、よくある話といってしまえばそれまでだが、とてもうまくまとめている。キャラの心情もしっかりと感じ取ることができるし安易なイラストにしていないのも好感が持てる。何よりも読み切りとして素晴らしくしっかりとまとまっている。

    鈴木氏コメント

    非常に見せ方が上手くテンポも絶妙。内容も人類の永遠の課題(業)を取り上げたようなテーマで、読んでいて背筋がぞわぞわするような思いになりました。やや既存の作家さんと印象がかぶるので、何かしら、ファッションや小物などのディテールや、コメディ要素などで、この方ならではの個性をもっと発揮できるといいと思います。

    林氏コメント

    独特の色彩。絶望のエンディング。悲しくて、切なかった。キャラの苦悩、切なさを描く才能が溢れている作家。乾いた演出で、キャラの感情を抉って描いている。願わくば、ハッピーエンドの物語も読んでみたい作家。

    中野氏コメント

    テーマを描き切るための強い信念が感じられ、最後までページをめくらせる秀作でした。

  • 作品言語
    中国語
    (繁体字)
    作品名
    Code H

    有藤氏コメント

    ジェシカ/アルバの「ダークエンジェル」や「バイオニックウーマン」のような展開。絵が好み。つづきものだけど、これはこれでいいのかな?先が読みたくなるような話だ。SFじゃないけど「ニキータ」の匂いも。そういう意味では定番だが読ませる力はありそう。

    鈴木氏コメント

    設定やストーリーは既視感が強くてあまり個性を感じられなかったのですが、絵心はすごくある方ですね。特に変身(?)した直後の禍々しい迫力ある姿と、それが解けた後の遺跡(?)のような場所の聖なる空間の対比が印象的でした。

    林氏コメント

    絵に華があり、キャラ・背景、全体的に基礎画力が高い作家。逼迫するシチュエーションと、キャラの絆を描けている。キャラの痛い心の叫びも伝わってくる、演出。ただ、アクションシーンにページを割きすぎていて、ドラマの掘り下げ、展開の薄さが気になった。演出・画力と同じレベルで、キャラクターの心情をドラマに落とし込めたら、凄く売れる作家になると思う。

    中野氏コメント

    映像を喚起させる画力とコマ割りのセンスがある分、既視感のあるアートワークが残念…。

  • 最終選考作品

    • 作家名 失败战记
      作品名 KillerKill
      作品語言中国語(簡体字)

      鈴木氏コメント

      人の顔を描くのがとても上手い。造形も表情も年齢の違いも、色々な描き分けがすごくしっかりできているし、強い表情怖い表情だけでなく、女の子の柔らかい可愛い表情まで描けていて目を引きつけられる所が沢山ありました。観察眼と、人間の感情を想像することに非常に優れた人なのかなと思います。このお話はもう一捻りあるとさらによかったですが、色々な葛藤が詰まった濃密な人間ドラマを描いていってほしいです。

      林氏コメント

      バッドエンドだけど、驚いた。作劇の巧さが詰まっている読み切り。テンポの良い展開と、ヒロインの再会、そこからの驚きはお見事。絵も魅力的だった。最後のバッドエンドの読後感をより際立てる演出が欲しかったが。

      中野氏コメント

      冒頭の掴みから読後感までしっかり味わえる構成力は圧巻。応募作の中で完成度は一番!

    • 作品名 UPIR
      作品語言英語

      有藤氏コメント

      冒頭からト書きで状況をすべて説明してる部分は大きなマイナス。これでは読者をうまく引き込むことができない。R15的な話だが「バイオハザード」のように、説明がなくても引き込まれていく構成を考えることです。

      鈴木氏コメント

      描こうとしている絵(イメージ)を具現化することに対して凄い執念を感じます。まだ誰も見たことのない絵や画面を描いていけそうな方で将来がとても楽しみです。ただ、主人公が途中から添え物になってしまったので、彼女の活躍や成長ももう少し丁寧に描いてほしかったです。女性を魅力的に描けるかどうかも大事なことなので。また、迫力を出すことだけでなく、柔らかさや艶っぽさも表現できるようになると、さらに魅力的な作家さんになれると思います。

      林氏コメント

      石田スイさんの影響を強く感じる、作風だが、今っぽい絵柄。基礎的な画力、アクションシーン、構図、全体的にとても高いレベルにある。絵だけでも、沢山の読者を獲得できそうな作家。目に残るシーンを描くことができているので、キャラの心情・ドラマも描けるようになると、凄い作家になる気がします。

      中野氏コメント

      動きは硬いが絵に説得力があるので、説明台詞に頼らず画面描写で伝える事を重視しても。

    • 作家名 Baruto Naisu
      作品名 DEITY
      作品語言英語

      有藤氏コメント

      異世界アクションラブコメ。読みやすいコマ割り、構成で画力も高い。ただし、どちらかというと引き気味の絵が多いので、そこにメリハリがほしい。せっかくの画力をもっと生かした作りをしてほしい。

      鈴木氏コメント

      絵もネーム運びも非常にレベルが高いです。神の力が、どのくらい信仰されているかで変わるという設定も面白かったし、神含めて女の子の描き方もうまい。カラーはもう少し塗り方を研究した方がいいと思いますが、サービス精神も高く、即活躍できるだけの力を感じました。

      林氏コメント

      コメディとして、テンポよく描けている。神・宗教の世界観設定、主人公キャラ・ヒロインキャラも分かりやすくて読みやすかった。ただ、意外性の無い展開ではあったのが残念。画力も、アクションシーンを描き出すには、少し力不足を感じた。描けば成長する作家だと思うので、画力を引き上げた次回作を読んでみたい。

      中野氏コメント

      万人ウケする絵柄で女子キャラも魅力的ですが、演出含め前時代的な作風が難点でした。