深雪太夫
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5年前
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かつて新撰組局長、近藤勇に愛され、身請けされたのが深雪太夫です。しかし彼女は病弱で、身請けの後たった一年で亡くなってしまったとも、存命中に勇から手切れ金200両を払わられて、自由を手にしたとも言われています。
彼女は運命に翻弄されたのでしょうか。それとも自分の道を選びとったのでしょうか。
私はこの深雪太夫に、数年前に京都のお茶屋さんで出会ったある舞妓さんを見立て、この絵を描きました。
彼女は当時まだ18歳でしたが、自分の意志でこの道を選び、毎日修行に励んでいる。叱られることがとてもありがたい、と話してくれました。人生を捧げるに値するものを見つけた彼女の明るい眼差しに、私は深く感動したことを覚えています。
この絵の中の狐面は、太夫としての深雪ですが、面の下の素顔には、決して受け身ではない彼女の微笑みを描きました。
深雪の肩に彫られた羅針盤の刺青には、「道を失わない」「進むべき道を誤らない」「希望」と言う意味があります。
太夫が活躍した島原大門の近くには枝垂れ桜があったと言われています。彼女は病に倒れる前、元気だった頃に近藤とこの桜を見ていたのかもしれません。
"Some say that to believe in destiny is to dismiss the role of free will. (運命を信じるのは、意志を捨てることだと言う)"ードラマ『リベンジ/Revenge』より引用